夜桜お七
1994年9月7日発売の12枚目のシングル
作詞:林あまり 作曲:三木たかし
カップリングは「哀しみの予感」
1993年に猪俣公章が亡くなり、坂本冬美は実質的なプロデューサーを失っていた。
新しい坂本冬美の方向性を託されたのが小西良太郎である。
小西は新曲の作詞を女流歌人・林あまりに依頼した。
林あまりは過激な性描写を含む作品を発表する異色の歌人であった。
林は自身の歌集「MARS☆ANGEL」に収められている作品「夜桜お七」をモチーフに書き上げた。
歌詞の中には歌集「ベッドサイド」に収められている作品からも引用されている。
作曲は三木たかし。坂本冬美があこがれた「津軽海峡・冬景色」の作曲者である。
三木の曲も異色であった。過去の演歌の枠を超え、「ロック演歌」と称されるほどである。
それだけに発売に向けて反対意見が多かった。それまでの坂本冬美のイメージを覆すものだった。
しかし三木たかしが「売れなかったら責任を取る」と周りの反対意見を抑え込んだ。
坂本冬美本人は作曲者三木たかし自身によるデモテープを聞いてゾクッとしたと語っている。
紅白歌合戦でも8回歌唱している。
TV番組ではいろいろなアレンジで歌っている。ジャズ、ボサノバ、そして雅アレンジのロックバージョン。
アルフィーの高見沢俊彦はTV番組で坂本冬美と共演した際に、この曲がロックであることに気付き、自身のアルバムではメタルアレンジでカバーしている。
2022年02月23日デビュー35周年記念アニバーサリーイヤー企画として7inchシングルアナログ盤「夜桜お七」が発売された。
音源は2007年に再録されたもので、B面の「哀しみの予感」は1994年に発売された際の音源である。