岸壁の母


坂本冬美は、休業していた2002年、「岸壁の母」を歌う二葉百合子に衝撃を受け、再び歌の道を歩み始めた。

オリジナルは菊池章子が歌う「岸壁の母」であり、昭和29年(1954年)9月に発売され大ヒットした。
作詞:藤田まさと、作曲:平川浪竜

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昭和47年(1972年)に二葉百合子がカバーした歌謡浪曲「岸壁の母」が再び大ヒット。
以来、「岸壁の母」は二葉百合子の代表曲となった。
作詞:藤田まさと、作曲:平川浪竜、台詞:室町京之介
二葉百合子は「この歌を平和への祈りの歌、二度と戦争は起こしてはいけないという心でいつまでも歌い継ぎたい」と語っている。

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多くの歌手がこの歌を唄い、レコーディングも行っている。
坂本冬美も二葉百合子直伝の「岸壁の母」を唄い、2005年発売のアルバム「浮世草紙」に収録している。

二葉百合子は2008年に引退した。
その際、自分自身が歌ってきた歌謡浪曲を弟子たちに歌い継いでもらいたいと願った。
「岸壁の母」に指名したのが坂本冬美である。
二葉百合子自身が歌謡節をつけたロングバージョン「岸壁の母~歌謡節「母の叫び」入り~」を坂本冬美に歌い継いでもらいたいと願ったのである。

「上手く歌わなくていい!あなたより上手く歌う人は大勢います。でも、上手く歌わなくていい、あなたはきっと心でこの歌を唄い継いでくれる。私はそれを信じています!」という二葉百合子の言葉に坂本冬美は歌い継いでいく覚悟を決めた。

現在、坂本冬美はコンサートの中盤に「岸壁の母~歌謡節「母の叫び」入り~」を唄っている。全身全霊を注ぎ込むその姿は鬼気迫るものがある。坂本冬美自身がこの歌を唄った後は精根尽き果てもうこれで終わりたい気分になると語っているほどである。

このロングバージョンは2012年に発売されたアルバム「桜」~リクエスト・ベスト・アルバム~に収録されている。





2018年05月04日に放送されたテレビ朝日「決定版!これが日本の名曲だ!」で二葉百合子から坂本冬美に長編歌謡浪曲「岸壁の母」のLPが手渡された
坂本冬美に「岸壁の母」を歌い継いで欲しいと!

このLPレコード表裏それぞれ1曲しか収録されていない

第1面 岸壁の母(29分21秒)
第2面 父ちゃんのポーが聞こえる(30分03秒)
1972年発売、定価1200円

SEも入ってラジオドラマ風仕立ての長編歌謡浪曲である
色々なエピソードが語られ、普段聞いている「岸壁の母」の背景がわかる
静かに心に沁み込んでくる内容である

しかしこれをそのまま坂本冬美に歌い継いてほしいということなのか
岸壁の母の背景を理解し、心を引き継ぐということではないだろうか
演目として引き継ぐのはやはり「岸壁の母 ~歌謡節 母の叫び~」しかないように思うのだが

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